できることを、続けられる可能な範囲で
〈仕込み後に出る麦芽たちのゆくえ〉私たち醸造業も含め、多くの産業ではプロダクトが出来上がるときに、 同じように廃棄しなければならないものが生まれます。ただ、クラフトビールを作っている私たちが使う素材は、自然から出来上がった農産物。その素材の90%以上が大麦、その他の麦類からできた〈麦芽〉というものです。醸造のプロセスの中で水分を含んだ麦芽は、まちなかの醸造所では食品残渣として廃棄されることが多いそう。畑の隣で醸造所を構えている私たちは、自分たちで育てているホップ畑にその麦芽を撒いたり、ここ数年は、車で5分の信州大学農学部の畜産の先生が引き取りしてくださり、籾殻やとうもろこしなどと混合し、発酵させ、家畜の飼料として使ってくださっています。昨年その様子も見させてもらいました。先生たちも家畜の餌を手作りし、地域の資源を再利用する。麦芽を使用するというのは昔からある手法のようですが、 地理関係、物量、それらがうまく歯車のように噛み合って回るにはとても高い壁があります。幸運なことに、このような地理的にも近く、物量も多過ぎずな私たちとうまく噛み合ったことで、うれしい循環がはじまり、それは続いています。